この思いを迷宮に捧ぐ
「どんな?」
「血筋も容姿も何もかもが釣り合いません。殿下にふさわしい方が、他にたくさんいらっしゃいます」
彩菜の答えを促し続けた黄生の声が途絶えて、千砂は彼が彩菜を諦めるのかと思った。
黄生の恋人がコロコロ変わることなど、国中に知れ渡っているのだから、彩菜の耳にだって入っているだろう。
「きゃっ」
彩菜の微かな声に、反射で振り返って戻りかけた晁登を何とか引き止めて、千砂は息を詰めている。
何をしたか定かじゃないけれど、黄生は、彩菜が本気で嫌がることだけはしない気がする。
「僕は血も見た目も他の女もどうでもいいんだけど」
千砂は黄生なら本心からそう思っているとわかる。
「何よりも、その問題の中に、『僕のことが嫌い』っていうのがなくて嬉しいね」
「あ...」
明らかに空気が静まって、黄生が彩菜にキスをした気配があった。
「血筋も容姿も何もかもが釣り合いません。殿下にふさわしい方が、他にたくさんいらっしゃいます」
彩菜の答えを促し続けた黄生の声が途絶えて、千砂は彼が彩菜を諦めるのかと思った。
黄生の恋人がコロコロ変わることなど、国中に知れ渡っているのだから、彩菜の耳にだって入っているだろう。
「きゃっ」
彩菜の微かな声に、反射で振り返って戻りかけた晁登を何とか引き止めて、千砂は息を詰めている。
何をしたか定かじゃないけれど、黄生は、彩菜が本気で嫌がることだけはしない気がする。
「僕は血も見た目も他の女もどうでもいいんだけど」
千砂は黄生なら本心からそう思っているとわかる。
「何よりも、その問題の中に、『僕のことが嫌い』っていうのがなくて嬉しいね」
「あ...」
明らかに空気が静まって、黄生が彩菜にキスをした気配があった。