この思いを迷宮に捧ぐ
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「陛下!?こんな時間にどうなさったのです」

初めて、坡留の部屋を深夜に訪れた千砂は、しばらく声が出なかった。

震える手で、胸にしまっていたペンダントのトップを取り出して、坡留の目にかざすのが精一杯だった。


「これは、どこでこうなってしまったのです?」


坡留は、目に涙を浮かべて、首を横に振る千砂に、おおよその事情を察した。



「混入ルートの推測はできましたか?」


黒く変色した銀のネックレスが、千砂の代わりに物語るのは、毒物の存在だ。

「劇場裏口の井戸、水瓶、ティーバッグ、水筒」

「わかりました。ただちに人をやりましょう。陛下もお一人にはなりませぬよう」

こくりと頷くしかなかった。



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