この思いを迷宮に捧ぐ
「でも、青英の神経もおかしいんだよね」
翠が楽しげにそう続けるから、翠の神経がおかしいという表現は、好感を表すのかもしれないと千砂は呆れた。
「俺と母親を見て、『こっちの親子の方が城に似合うな』って表情一つ変えずに言ったんだ」
今度こそ、千砂は唖然とした。
実のところ、千砂と黄生の関係は、青英と翠との関係に近い。黄生親子と対面した時、そんなふうに感じただろうか。感じたとしても、言葉にすることはできただろうか。
「たった9歳だったのにな。変なガキだった。今も変だけど」
そう言えば、黄生親子を見て、私は「新たな火種」だと思ったのだ。
千砂は思い出した。
その直感に間違いがなかったことは確かだが、ひょっとしたら、そのときもっと好意的な印象を持っていたならば、今のような未来を迎えていなかったりするのだろうか。
水の国と土の国との違いを思う。
翠が楽しげにそう続けるから、翠の神経がおかしいという表現は、好感を表すのかもしれないと千砂は呆れた。
「俺と母親を見て、『こっちの親子の方が城に似合うな』って表情一つ変えずに言ったんだ」
今度こそ、千砂は唖然とした。
実のところ、千砂と黄生の関係は、青英と翠との関係に近い。黄生親子と対面した時、そんなふうに感じただろうか。感じたとしても、言葉にすることはできただろうか。
「たった9歳だったのにな。変なガキだった。今も変だけど」
そう言えば、黄生親子を見て、私は「新たな火種」だと思ったのだ。
千砂は思い出した。
その直感に間違いがなかったことは確かだが、ひょっとしたら、そのときもっと好意的な印象を持っていたならば、今のような未来を迎えていなかったりするのだろうか。
水の国と土の国との違いを思う。