この思いを迷宮に捧ぐ
ふと、強いむなしさが込み上げてきて、私は、思考を止める。


考えても、無駄なこと。


私は、宮殿に生まれ、王位を継承した。そして、初めて愛した彼を、手放した。



眠れぬ夜に、堂々巡りの物思いに耽る。

千砂は、思考が晁登の顔に至るたびに、デリートボタンを押し続けている。



そんな夜が更けゆく時間に、不意にカチャリと無造作に扉が開いた。


「…何の真似?」

敬語も忘れて、千砂は呟いた。
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