この思いを迷宮に捧ぐ
…あの人当たりのいい姉が「手強い人」と表現した女王が、国王が別の女性との間にもうけた子を、放っておけるだろうか。
「身分の低い恋人の子」とは、翠自身のことなのだと、千砂ははじめて気が付いた。
「下手したら暗殺される」ような目に、何度も遭ったのだろうか。
毒物を見分けられるのは、そういう経験を重ねたからだろうか。
生き残るために、毒に慣らされた自分と、消されないために、毒を見分けられるようになった彼。
こうして同じ場所に立っていても、そこに至るまでの道程の隔たり。
千砂にとっては、翠をよくわからない人間だと感じるのも当然で、彼がくぐり抜けてきた危機を想像するのも難しいことだった。
「だから、あんたが俺の子をできるだけ早く産むのが、国のためになるんだよ」
それでも、そういうことになるか。
口煩い大臣や親族と、結局は同じ結論になるのか。
「契約外」
「は?」
「身分の低い恋人の子」とは、翠自身のことなのだと、千砂ははじめて気が付いた。
「下手したら暗殺される」ような目に、何度も遭ったのだろうか。
毒物を見分けられるのは、そういう経験を重ねたからだろうか。
生き残るために、毒に慣らされた自分と、消されないために、毒を見分けられるようになった彼。
こうして同じ場所に立っていても、そこに至るまでの道程の隔たり。
千砂にとっては、翠をよくわからない人間だと感じるのも当然で、彼がくぐり抜けてきた危機を想像するのも難しいことだった。
「だから、あんたが俺の子をできるだけ早く産むのが、国のためになるんだよ」
それでも、そういうことになるか。
口煩い大臣や親族と、結局は同じ結論になるのか。
「契約外」
「は?」