この思いを迷宮に捧ぐ

「本当に頭の悪い人」

ぼそりと呟くと、千砂は一瞬でも視線をそらした自分を恥じて、部屋を出たのだった。

「ほんと、ビビリで繊細だよねー、女王様って」

翠の呟きも、耳に入らないスピードで。


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千砂の思い描いていた通りには、法案が通らず、ため息が出る。

不機嫌な面持ちで議場を後にする千砂について、翠が歩きながら言った。

「あんた、真面目過ぎる。きれいすぎる水の中では魚も生きられないって言うだろ」

翠は、軽く千砂に視線を投げかけただけで、興味はもうないとばかりにそっぽを向いている。

「悪いことしたから一律に厳しく罰する、ってうまくいかねーよ?」

あたりまえじゃん、と続けるから、千砂は、やはりこの男とまともに話すのは無理だと思う。

価値観があまりにも違う。
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