この思いを迷宮に捧ぐ
それは、国民性からくるものではなく、明らかに個人個人の性質からくるものだ。


「悪事を見逃すことが正しいはずはない」

きっぱりと断言する千砂に、翠ははあ、とあからさまなため息を吐くと、ベッドにぼすんと音を立てて寝転んでしまう。

「じゃあさ、出来心で落ちてた宝石を盗んだけど、返しても謝っても厳しい処罰が待ってるってわかったらどうすんの?いや、あんたを基準にするとそれでも申し出るって言いそうで嫌だけど」

言われたとおりのことを口にする直前だったので、う、と千砂は言葉に詰まった。

「だけどさ、俺だったら、もうめんどくせーし、楽だからいっそのこと宝石拾い集めて暮らすのもアリかな、って考えるよね」
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