この思いを迷宮に捧ぐ
「この頃の食事には問題ない?」
宮殿での空気が柔らかくなってきたことを感じて、翠にも確認してみる。
「うん。何も入ってないと思う」
よかった。
黄生が失踪してから、反対派の動きは極端に小さく感じるものの、翠が入国した折にはまだ毒が盛られていた。
「それにしても、そこでくつろぐのはなぜなの?」
隣室に個室を与えられているにもかかわらず、千砂のベッドで大きな地図帳を広げて眺めている翠に呆れる。
「俺の部屋のベッドは固いんだよ」