この思いを迷宮に捧ぐ
「換えてもらえばいいでしょ」
「そこまでではない」
「眠れるならそう固くないのよ」
「いや、ずいぶん固い」
「そういえば、母は固めが好きだったわね」
いつも千砂や美砂の部屋に来ては、ベッドが柔らかすぎないかと聞いていた気がする。
「あんた、母親に会いたがらないね。苦手なの?」
千砂は、忘れていた母親の顔を不意に思い出す。
「苦手ではないわよ。得意でもないけど、騒々しいし」
つい素直にそう言うと、翠が吹き出した。
結婚式でしか顔を合わせていないはずだが、翠にもうるさいと思われたに違いないと千砂は思った。
「そこまでではない」
「眠れるならそう固くないのよ」
「いや、ずいぶん固い」
「そういえば、母は固めが好きだったわね」
いつも千砂や美砂の部屋に来ては、ベッドが柔らかすぎないかと聞いていた気がする。
「あんた、母親に会いたがらないね。苦手なの?」
千砂は、忘れていた母親の顔を不意に思い出す。
「苦手ではないわよ。得意でもないけど、騒々しいし」
つい素直にそう言うと、翠が吹き出した。
結婚式でしか顔を合わせていないはずだが、翠にもうるさいと思われたに違いないと千砂は思った。