この思いを迷宮に捧ぐ
千砂の寝間着は、何も掛けないで丸まっていたときと同じ、毛皮のボレロを着たままだ。確かに着込みすぎだろう。
「...変な目で見ない?」
少し躊躇った後に、千砂はちらりと翠を見る。
「多少の薄着くらいで今更そんな目で見るか、バカ。裸になるなら考えてやる」
あほらしい、と言わんばかりに鼻で笑う翠に千砂は少し笑った。
確かに、これまで添い寝してもこの人は何もしなかった。
「薄着ってだけで心細くて、人の視線が怖くなる。自意識過剰かも。いっそのこと、いつも寒ければいいのにな」
小さなため息をついて、千砂は毛皮のボレロを脱いだ。