この思いを迷宮に捧ぐ

「うん」

素直に千砂がそう言って毛布にもぐる気配がする。

「あなたも、今日は部屋に戻って?」

思い出したように、千砂が顔を出して翠を見ていた。

「うつらないよ?」

どうせ風邪がうつるのを気にしているに違いないと、翠は先に言ってやる。

「なあに、その根拠のない自信」

思わず千砂は、喉の痛みを忘れてくすくす笑う。

「いてやるから、寝てな」
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