この思いを迷宮に捧ぐ

いつもより幼く見えるのは、体調が悪くて心細いせいだろう。

「ほら」

有無を言わせず毛布を頭まで被せると、中からくすくす聞こえてきた。
そのまま毛布ごと抱きしめていると、次第に千砂の体から力が抜けてきた。

寝入ったようすを見届けて、翠はため息をついた。

熱のせいか、いつもの張り詰めたような厳しい雰囲気は消えて、千砂が頼りなげに見えた。
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