この思いを迷宮に捧ぐ

時には視線に感づかれるが、首を横に振っておく。
翠はちょっと首をかしげるだけで、またベッドに広げた画集に視線を落とす。

やっぱり全然違う。
それがよくわかる。

そして、私はとっくに晃登を諦めている。

自分を揺さぶるための駒として、彼が命を落とすようなことになるよりは、生きていて欲しかった。
あの選択をしたときに、私はすでに諦めることを決めたはずなのだ。
それこそ、涙がでなくなるまで泣いた。
そして、強い足かせとなるよう、また反対派を弱体化させるため、政略結婚をした。
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