この思いを迷宮に捧ぐ
見張りとして入口に残る坡留に、心の中で詫びながら、千砂はひとり、採掘場に入っていく。
細く横に伸びる真っ暗な坑道に、懸命に目を凝らす。輝く部分はないだろうかと。
姉は、この能力に長けていた。
「このあたりにありそうな気もする」とブツブツ言いながら、自信なさげに壁に触れ続ける千砂とは対照的に、「ああ、きれい」と呟く声で千砂が振り返ると、美砂は両手に輝く石の山を見ていたものだった。
そう。
土の国の王族には、希少な宝石を見つける力がある。
長い歴史の中で、彼らの力によって、資源の乏しい国が、なんとか存続を続けることができた局面がいくつもあった。
だからこそ、千砂は、美砂が国を継ぐと信じて疑わなかったのに。
「ダメ。全然わからない」
千砂は、すっかり過去の回想にふけっていたせいで、鉱脈を感じることさえできずにいた。
でこぼことした荒い壁を撫で続ける手のひらが、ひりひりと痛くなってきて、なおさら千砂は美砂を思い出す。美砂は、石を拾うその瞬間だけ土に触れればよかったのだから。
この前、風の国の使者に持たせる石を探すのも、ずいぶん手間取った。
細く横に伸びる真っ暗な坑道に、懸命に目を凝らす。輝く部分はないだろうかと。
姉は、この能力に長けていた。
「このあたりにありそうな気もする」とブツブツ言いながら、自信なさげに壁に触れ続ける千砂とは対照的に、「ああ、きれい」と呟く声で千砂が振り返ると、美砂は両手に輝く石の山を見ていたものだった。
そう。
土の国の王族には、希少な宝石を見つける力がある。
長い歴史の中で、彼らの力によって、資源の乏しい国が、なんとか存続を続けることができた局面がいくつもあった。
だからこそ、千砂は、美砂が国を継ぐと信じて疑わなかったのに。
「ダメ。全然わからない」
千砂は、すっかり過去の回想にふけっていたせいで、鉱脈を感じることさえできずにいた。
でこぼことした荒い壁を撫で続ける手のひらが、ひりひりと痛くなってきて、なおさら千砂は美砂を思い出す。美砂は、石を拾うその瞬間だけ土に触れればよかったのだから。
この前、風の国の使者に持たせる石を探すのも、ずいぶん手間取った。