この思いを迷宮に捧ぐ

思い立ったらすぐに実行に移すのは、意外に大胆で胆が座っているのかもしれないと思う。

千砂の方は何を言われるだろうかと、身構えていた。
伝統的に、土の国の王族で、女性なら長く伸ばすものだから。

「短いのもいいな」

何のことだろうと、傍らの翠を見上げる。


想定外の言葉だったから、千砂には理解ができなかった。

「肌に触れやすいし」

さらりとサイドの髪を掬い上げたと思えば、もう首筋に唇の感触を覚えた。

「な」
< 323 / 457 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop