この思いを迷宮に捧ぐ
もう審議官や国民の目がないところでも千砂に触れやすくなるかな、と思ってみたりする。
「後継者作りもしてみない?」
長いキスの後、お茶でも飲むみたいに提案されたから、千砂は聞き間違いかと思った。
千砂がきょとんとしていると、翠はもう一度ゆっくりと深いキスをしてから、彼女の首筋に唇を落とした。
「そ、こまで必要かしら」
ようやく、聞き間違いではなかったのだとわかった千砂は、内心慌てて身を剥がす。
「養子もかわいいものみたいよ」
千砂は、水の国で、養母に慈しまれて育つ、甥の水都を思う。