この思いを迷宮に捧ぐ

そう不思議そうに問われると、少しずつ翠は苛立ってくる。

「当たり前だろ。王族の両親なら、子どもも守られやすい」

千砂自身は、血筋を楯にするのは好きではなかった。

それによって、母とともに危ない目にも遭ったのだから。だけど、状況によっては、保護の拠り所になるのだとも思う。

「いや、そうじゃなくて。あなたには、私の子どもなんて必要かしら?」

千砂の目に、自分は一体どういう人間として映っているのかと、頭を抱えたくなる。

「正直に言えば、子どもは好きだし、あんたの子もかわいがると思う」
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