この思いを迷宮に捧ぐ

おかげで何とも間の抜けた答えを返すことしかできなかった。

朱理が水都を追いかける明るい笑い声で、微妙な空気が和らいだ。

年齢より幼い印象を与える朱理が、一緒になって水都と遊んでいると、少し年の離れた姉弟のようだ。

もしも、天国という場所が実在して、美砂がこれを見ていたら。

「姉も、幸せでしょうね」

そう思わず義兄に言うと、わずかに柔らかい表情を見せながら、朱理から目を離せない様子で「そうだな」と呟くものだから、さらにびっくりした。

こんな人じゃなかった。
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