この思いを迷宮に捧ぐ

「何?どんな国王になりたいんだよ」

そう言われて、思い出しながら考えてみた。


「国を、豊かに育てられるような人、に」

ぽつりと千砂の言葉がこぼれた。

水路の開通記念式のとき、青英と朱里が水都を育てる様子が、とても素敵だと思った。

「お母さんみたいだな?おもしろくていいんじゃね?」

くすりと笑う翠から、目が離せなくなる。

水の国から離れて時間が経ったからか、翠もずいぶん穏やかになった気がするのだ。

こんな優しい人ではなかった。
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