この思いを迷宮に捧ぐ
いつもより口数が多くなって、あれこれ言い返してくる千砂を抱きかかえて、翠はベッドに放り込んだ。
このまま上気した頬で、少し柔らかく溶けた声で、とろりとした目で見上げられたら。
翠はため息をついて、この状況を見る。
一応夫婦だもんな。誰も止めてくれないもんな。むしろけしかけてくるし。
好きな女を目の前にしていながら、自分で自分を止めないといけないという皮肉な状態が、何ヶ月も続いている。
俺、いつまで持つかな。
「・・・翠?」