この思いを迷宮に捧ぐ
「さっと謝ればいいでしょ。ほら、その一言で帰国できるんだし言っときなよ」
ぱくぱく口を開くだけの使者は、さらに当事者に近い翠まで現れて、いっそう動転している。
バシッと彼らの背中を叩き、翠は笑いを堪えながら繰り返す。
「『ごめんなさい。もうしません』だろ」
「ご、ごめんなさい。もうしません」
ようやく震え声で二人が追従する。子供か。
「ヘーカ、これでいい?帰らせるよ」
翠があまりにいつもと変わらない調子だから、千砂はかえって腹が立って頷くこともできない。