この思いを迷宮に捧ぐ

翠の切望とは裏腹に、千砂はまばたきを繰り返すだけだ。


どうして、私はこんな状況に追い込まれているんだろう?

翠の様子がおかしい。

どうして、こんな意地悪をするの。

それなのにどうして、そんな悲しい顔をしているの。


強情にも首を横に振った千砂の体から、ふっと力が抜けて、翠は慌てて手を離したが、遅かった。


青い顔で意識を失った千砂を抱いて、翠は深い後悔を抱えたまま典医の元に走ることになる。
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