この思いを迷宮に捧ぐ
「君は、やはり、そっちの能力が強いんだね……」

ようやく言葉を発した岳杜の目に、ごまかしきれない畏怖の色が浮かんでいて、千砂はふっと自嘲する。


「そうね。その方が、自分で自分の身を守ることができる」


そう答えるその自分の声に、明らかな刺が含まれていて、千砂は一層自分で自分が嫌いになった。


その後どうやって、坑道からの螺旋階段を上ったのか、千砂は全く記憶になかった。





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