この思いを迷宮に捧ぐ

彼女の細い背中を抱き返したい衝動を抑えながら、平静でいろと自分に言い聞かせている。


「なぜ戻って来ないの」

千砂も、いろいろ考えた。

とうとう問題だらけの土の国が嫌になったのではないか、いや、私のことが煩わしいのではないか。

一国の王でありながら、昔のトラウマを克服できずにいる。いい加減愛想がつきたのではないか...。

翠の様子だっておかしかった。
あれは、どんな心境の変化なのか、もう少し夫婦らしくなりたいということだったのだろうか。
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