この思いを迷宮に捧ぐ

気だるそうなため息をついたら、ようやく雰囲気が翠らしい感じにくだけて、千砂は顔を上げた。


翠にも、千砂がここに現れたのは、自分を探しに来てくれたのだということが、よくわかった。

自分の言動が彼女を追い詰めがちなことはすでに明白で、それでも彼女のそばへ戻っていいのかがわからなかったし、今でも迷っているけれど。


「それやると効果的だって言ったのは確かだけど、ここで実践すんの?」

「え?」

何の話かわからず、千砂がきょとんとするから、翠は思わず笑ってしまった。
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