この思いを迷宮に捧ぐ
千砂は、自分のうめき声で目が覚めた。

いつもなら、寒くて目覚めるものなのに、今夜に限っては全身が冷たい汗で濡れ、心臓が不穏な音を響かせている。


夢…。夢か。

異常に現実味を帯びた夢を見た。


部屋はまだ真っ暗で、眠りに落ちてからそれほど時間が経っていないらしい。だるい体を起こして、早い呼吸を整える。

なぜいまさら、こんな夢を。

その理由はわかっている。千砂は、採掘場で再会した岳杜を思う。彼の姿を見たせいだろうと。



だからといって、岳杜の立場から、あの事件を振り返るような奇妙な夢を、何故見なければならなのだと、千砂は自分自身の脳を不愉快に思う。

全ては推測に過ぎないのかもしれない。

それでも、岳杜の心がまるで手触りから伝わってくるような、鮮烈な夢だった。



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