この思いを迷宮に捧ぐ

今、できるだけ話しておかないと、もう二度とこんな機会はないかもしれないと、自分を叱咤しながら。

「一つ目は、僕が誰を好きかわかるんだな、って...」

一瞬、切なそうな表情になったのを、坡留は見逃さなかった。

そして、好きだったか、ではなく好きか、と現在形で話した風汰の気持ちを推測すると、今度は自分が切なくなるのだ。

「そんな顔すると、すぐにわかりますよ」

わずかに目を伏せた風汰に、ドキリとする。

いつものようにニコニコしているときには幼く見えるのに、朱理を想っているらしいときには、年相応か、それより少し上に見える。
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