この思いを迷宮に捧ぐ
こんなに簡単に表情に翳りが出るのに、自覚はないのかと、坡留は思う。
「どんなに大切に思っていらっしゃるのか、伝わってきます」
朱理の誕生日祝いの席で、風汰を見ていれば一目瞭然だった。
長年想い続けていた幼馴染が、神の声で唐突に他国に嫁いだなんて、ショックだったはずなのに、全部飲み込んで、笑顔を見せていた人。
「なおさら、だけどさ。そういうところが嫌いとか気持ち悪いとか言われて、全然モテないんだけどな」
ブツブツ呟いてるので、坡留は思わず吹き出した。