この思いを迷宮に捧ぐ
所在なげに落とした視線が、時々さまよって、ふと自分に向くとき、晁登はようやく本当に彼女の気持ちが自分にあるのだと、理屈を抜きに認めることができた。
「俺も君に会いたかったんだ」
すぐに下に下がってしまう視線を辿りたくなって、晁登が千砂の顔を覗き込んだ。固まったまま、千砂は目を丸くして晁登の顔を見るしかない。
この人と、キスしたのは、私の妄想だろうか。
日中にこうして顔を合わせると、夢と言うより嘘みたいに思えた。いや、でも、あんなにしっかりと、何回も、ほらまだ感触が唇に…。
そこまで考えてしまって、千砂は息が詰まった。
「何?真っ赤だよ。かわいいな」
「かわいいとか、どうかしてる」と千砂は、小さな声で呟いて、座っている椅子ごとずるずると後ろに下がってしまうのだ。
恥ずかしがり屋の小さな女の子みたいで、晁登はくすりと笑ってしまった。
あんなに会いたかったのに、どうしたらいいのかわからず、千砂は途方に暮れていた。
晁登の顔を見て、元気そうだと安心した後は、ふたりきりの空間に緊張し切っていた。
「俺も君に会いたかったんだ」
すぐに下に下がってしまう視線を辿りたくなって、晁登が千砂の顔を覗き込んだ。固まったまま、千砂は目を丸くして晁登の顔を見るしかない。
この人と、キスしたのは、私の妄想だろうか。
日中にこうして顔を合わせると、夢と言うより嘘みたいに思えた。いや、でも、あんなにしっかりと、何回も、ほらまだ感触が唇に…。
そこまで考えてしまって、千砂は息が詰まった。
「何?真っ赤だよ。かわいいな」
「かわいいとか、どうかしてる」と千砂は、小さな声で呟いて、座っている椅子ごとずるずると後ろに下がってしまうのだ。
恥ずかしがり屋の小さな女の子みたいで、晁登はくすりと笑ってしまった。
あんなに会いたかったのに、どうしたらいいのかわからず、千砂は途方に暮れていた。
晁登の顔を見て、元気そうだと安心した後は、ふたりきりの空間に緊張し切っていた。