この思いを迷宮に捧ぐ
この人は、不思議に自分を理解してくれている。


「そういうところも、真面目なところも、融通が利かないところも、厳しいところも、全部好きだ」

……耳が、頬が、どうにかなりそうなくらい熱を帯びている。

くっついて顔を隠したって、触れた彼の首から、熱が伝わってるだろうと思うくらいに。


千砂は、耳までドンドンと響くような自分の心臓の鼓動に、こくんと息を呑む。


ふいに体を起こして、晁登が両手で千砂の両頬を包んだ。

「そういう可愛い反応も、好きだな」


ばれてた。やっぱり。


恥ずかしさで一瞬思考が停止したせいで、千砂は唇の感触に気が付くのに一瞬遅れた。


キス。してる。


はっとして千砂は身を固くしたけれど、うっすら開いていた唇の間に、するりと何かが這うのが先だった。

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