この思いを迷宮に捧ぐ
だめだ、わずかに浮かんだ考えのピースさえ恥ずかしさを煽るに過ぎない。

千砂は思考を手放した。


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「大丈夫?」


気が付くと、千砂は、ソファーに横になっていた。

「私…!?」

はっとして身を起こすと、傍で見守っていたらしい晁登がほっとした様子で、「眠ってたわけじゃないよ」と教えてくれた。


「ごめん、本当にその、俺、夢中になり過ぎて」

その言葉の指すところを思い出して、千砂はかっと顔が熱くなった。

「気が付いたら、千砂が朦朧としてたもんだから、寝かせた。覚えてないだろ?」

こくんと頷いて、千砂は思い出そうとして見るが、駄目だった。

「酸欠になったかと思って、焦った。もう少し待って、意識がしっかりしてこなかったら、表の女の子になんて説明すればいいんだろうって」

千砂も、晁登が坡留に説明を試みる場面を想像してみたら、再び気が遠くなりかけた。「キスし続けてたら、酸欠になったみたい」と、ストレートに言いそうな気がしたからだ。


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