この思いを迷宮に捧ぐ
「うん。千砂に彼氏ができたなんて初めて聞いたから、どんな男か興味があってね」

千砂の浮かれていた気持ちはすっかり地に落ちて、今ではぺしゃんこになっている。

事の成り行きが、どうなるのか、パターンを考えてみると、早くも暗い気持ちになってきた。


「へえ。俺、そろそろ休みたいから」

取り合わずに、晁登がドアを閉めようとした時だった。


「次の国王のポジション狙ってるの?」

黄生がくすりと笑う。

そんなことを考えもしなかった千砂は息を詰めた。

「まさか。頼まれたって願い下げだ」

晁登らしい、素直な答えだった。

「なんで?どんな身分だろうが、議会での発言権が持てるよ。真面目な千砂には無理だけど、うまくやれば、憎い大臣を処刑できるのに」

知ってか知らずか、黄生は人が指摘されたくないポイントを口にする。

「やれるなら、直接殺すんで、ご心配なく」

揺らぐことなく晁登が答えるが、コウも平然と返す。

「今ならやれるんじゃない?」
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