リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
でも、その時。
「あれ?大樹くん⁉︎」
背後から聞こえてきた女性の声で、私は思わず後ろを振り返った。
「やっぱり大樹くんだ〜っ!」
満面の笑みで青山さんに駆け寄ってきたのは、推定年齢35歳くらいの女性。
「ああ!ナツキさん!久しぶり!」
そして青山さんもまた、女性に向かって爽やかな笑顔を見せた。
「もう!全然連絡くれないからそろそろ電話しようかと思ってたのよ?」
「ごめんね、最近ちょっと出張多くて忙しかったから。あ、でも出張も落ち着きそうだし、来週あたり飲みに行きます?」
「本当⁉︎行く行く!また連絡するわ。お邪魔してごめんなさい」
「いえ、じゃあ、また電話待ってますね」
……なんなんだこれは。
目の前で約束を交わした女性は涼しい顔で私達に会釈をすると、奥のテーブル席へと進んでいく。
ほんの数十秒の会話の中で約束をとりつけるなんて、あまりにも早技すぎて正直びっくりだ。
だけど驚いたのはそれだけではなかった。
「もうっ、ひどいですよ部長〜。私には忙しい忙しいって最近は全然時間作ってくれないのに他の女性とはデートするんですね」
目の前では可愛いらしく頬をふくらませ、怒った素ぶりを見せる秘書さんの顔があった。
「ごめんごめん、じゃあ明日ごはんでも行くか?」
そんなご機嫌ナナメな彼女をなだめるように青山さんは気まずそうな表情で苦笑いを浮かべる。
一体…なんなんだこの光景は。
私の頭の中はたくさんの‘‘?’’で埋め尽くされていく。
さっきの女性ともデートの約束をしたかと思ったら、この秘書さんとも明日は食事?
どんな関係なのかは私にはわからないけど、ずいぶんと軽くいろんな人と約束を交わすんだな…この人は。