リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
「本当に…すみませんでした」
とにかく謝ることしか出来なかった。
「ご迷惑をおかけして、本当に…すみません」
ずっと頭を下げたまま、顔を上げられなかった。
「別に気にしてない。おまえが酒に弱いなんて知らずに飲ませてしまった俺にも多少なりとは責任はある」
えっ?
「田中ももっと早くに教えてくれてりゃ良かったのに。それ聞いたのおまえが寝た後だったし」
「…なんかすいません」
「まぁ、的場とか山本もベロベロに酔ってたし。あ、大石なんて結局やらかしたんだから」
えっ?やらかした?
部長のその言葉で、私は慌てて顔を上げる。
「えっ、大石主任…どうされたんですか?」
結局やらかしたって、どういう意味?
「あぁ……秘書部の新入社員にな」
「えっ?」
「濃厚な洗礼を浴びせてた」
「せっ……洗礼、ですか?」
洗礼を浴びせたって、つまりそういうことだよね?
キス魔からの濃厚な洗礼って……キスしかないよね?
「まぁでも。相手の子も酔ってたみたいだし、途中からはもう所構わずブチュブチュかましてたけどな」
ブチュブチュって……その子もどうなってるわけ?
そんなに簡単にキス出来るの?
キスって好きな人とするものでしょ?
「…私には理解不能です」
「ん?」
「そんな簡単に誰かにキスするとか、好きな人でもないのにそれを受け入れるとか……ありえなくないですか?」
そういう行為は、もっと大切にしなきゃいけないものなんじゃないの?
大人の男女はそういうのが普通にあるものなの?
「まぁ…それは人それぞれだろ。そこから恋愛が始まるパターンだってあるかもしれないんだし」
キスから恋愛が始まる?
好きでもないのにキスしたら好きになるの?
「……私には理解できません。好きでもない人とキスして、そこから恋が始まるなんて考えられないですし」
「ははっ、わかったわかった。おまえがそういうのが無理なタイプだってことはわかったから。そんな必死に熱弁すんなって」
部長はそう言うと、腕の時計にチラッと目を向けて。
「もうそろそろタクシー来てる頃だろ」
スッと立ち上がると、静かな店内に靴音を響かせながら歩いていく。
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ!」
だから私も慌てて部長のあとを追いかけた。