リベンジ!〜大変身は、恋の始まり⁉︎〜
金曜日の夜は、車も人もいつもよりずっと多い気がする。
オフィス街を抜け出すと、途端に賑やかな街並みが視界の中を通り過ぎていった。
「明日が休みだってなると、主任達みたいにみんな飲みに行ったり遊びに行ったり…金曜日の夜はプライベートを楽しむ時間って感じですよね」
移り変わる景色を見つめながら、私は自然とそんなことを口にしていた。
「まぁな、次の日のことを気にしないでいいのが休み前の特権みたいなもんだし」
「ですよね。おまけに週末の休みは休みで、みんなどこかに出かけたり予定があったり忙しく過ごしたりするんですよね」
「まぁ、休みの日にしか会えない相手がいたり出来ないこともあるだろうからな。予定を組むなら休みくらいしかないだろ。俺は、貴重な休みくらいはゆっくりしたいもんだけどな」
二人だけの空間なのに、今日はなんだか会話が続く。
特別気を使うこともなかったから、そのまま部長に言葉を返した。
「休みの日にしか会えない相手も特にいなかったり、特にすることもない私からすると、予定があるっていうだけで羨ましいですけどね」
「何だそれ」
「何ですかね?自分でもよくわからないです…なんかすいません」
答えながら部長の方に目を向けた。
すると、前を向いたまま運転していた部長の横顔が、不意にこちらへ向いた。
「何だ」
「い、いえ…」
慌てて目をそらすと、鼓動がどんどん速くなっていく。
今さら気付いたけれど、ものすごく近い距離に部長がいる。
その距離に改めて気付いてしまったせいか、私はさっきまでのように軽い感覚で話しかけることが出来なくなってしまった。