memory
さて、僕には今からやらなければいけないことがある。制服を綺麗にハンガーにかけることと、部屋の片付けと、その汚い部屋に突然現れた見ず知らずの少女の対処。
僕は少女を観察した。年は同い年ぐらいで、俗に言う美女。服装はフリフリのピンク色のワンピースで、腰には茶色のリボンが結ばれている。髪の毛には花飾りが施されている。とても頷きにくい格好だとはいえ、その姿は神秘的だ。

そして問題は、何故ガールフレンドでも妹でもないこの子が、突然僕の部屋にいるのかということだ。
「取り敢えず、座ってよ。」
「分かりました。」
一応、日本語は通じる。彼女は足の踏み場もない僕の部屋で一番まともな場所に座った。
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