仲良し8人組



居座っちゃいけない。それは分かったが、それでもどうしても気になる事があったひなは最後にと声をあげた。



「サトさんは、……サトさんは、何でそんなに詳しいんですか!?何で私が見えるんですか!?」



殆どの人には見えない自分の存在。


それが見える上に、やたらと今のひなの状況に詳し過ぎる。



サトさんは、優しい。でも、



……怪しい。



「それは……」



そこでドンッと力一杯身体を押されて、サトシの段ボールの家からとうとう押し出されてしまったひな。


と、同時に呟くように聞こえてきた答え。



「私が昔、君と同じだったからだよ」


「えっ!」



サトさんも今の私と同じ様に誰にも気付いてもらえなくなった事がある?


でもサトさんは、今は皆に見えている。



もう開かないサトシの家の入り口をじっと見つめる。



「サトさん、希望が持てたよ。……頑張ってみます!」



そう言うとサトシの家に背中を向けて颯爽と歩き出すひな。


サトシは怪しい。


でも、それがひなと同じ体験をしたからだったなら話が変わる。


そして、希望が持てる。


サトシは元の世界に戻れたからこそ、今、皆に見えているのだ。


元の世界に戻ることは出来る!


それが分かっただけで、大きな希望の光が見えてくる。


戻る為には、サトシが言った通りに協力してくれる人を探す事。


それが今のひなに出来る事だ。


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