仲良し8人組
今のひなの言葉は明らかに自分は亮介を知っていると言っている。つまり、亮介にひながストーカーだと思われる確率を上げたのだ。
結果、
『あんた、……ストーカー?』
そう恐る恐るという感じで、ひなの耳に届く亮介の声。
「ちっ、違います!本当に違います!ストーカーじゃないです!信じて!」
電話越しであるにも関わらず、首をぶんぶんと横にふる。
ストーカーだと思われたなら、その時点で終わりなのだ。
その位はひなも分かっている。
自分のストーカーを助けようなんてする人なんて絶対にいない。
亮介は曲がったことが嫌いで、正義感の強いタイプだが、それでもストーカーを助けようなんて気持ちになる筈がない。
本当に助けを求めてるって気付いて!
嘘つきだと思わないで!
信じて!
そう願ってストーカーという言葉を否定するだけが今のひなの精一杯。
亮介の次の言葉を待つという緊張感から、ひなの背中にツーっと一筋の冷たい汗が流れる。
その時、亮介が声が響いた。
『あのさ、……本当に俺には何も出来ない。あんたをさ、助けるのは俺じゃない。…………悪ぃな』
最初の刺々しい言い方ではなく、どこか申し訳なさを含んだ言い方。
それにひなが反応出来ずにいる内にブチッと通話が切れた音がやってくる。
「あっ!」
慌ててスマホを耳から離して画面を確認したが、時すでに遅し。やはり通話終了の画面が映し出されていた。
「また切られた……。バカ亮介」
ポツリと溢れる愚痴。
だが、愚痴をいっているにも関わらずひなの表情は少し明るい。