仲良し8人組
亮介は私がストーカーじゃないって信じてくれた。
それなら、まだ諦めるのは早過ぎる!
バンッと立ち上がると、クローゼットに向かって歩いていく。
その足取りは軽い。
クローゼットを開くと、ズラッと並ぶひなの服。その下に置かれていた紙袋へとひなが手を伸ばした。
紙袋の中には綺麗に包装された長方形の箱が入っている。
ひなが手に取ると同時に、その箱につけられた青いリボンがフワリと揺れた。
亮介へのプレゼント。
誕生日に渡そうと思って買っていたものだ。
本当は3年前に戻って渡したいという気持ちが強い。でも、……3年前に戻れる確信がない。
戻ろうと頑張るけど、必ず戻れるわけじゃない。
もし、記憶が戻らなかったら戻れない。
……期限は3日しかないのに。
それに、3日を過ぎてしまったら、完全に消えてしまうらしい。
亮介と話すことさえ出来なくなる。
それなら、……それなら、今プレゼントを渡したい!
自分の手で亮介にこのプレゼントを渡したい!
その思いを胸にグッと唇を噛み締めると、その紙袋と鞄を持ってひなが家を出た。
亮介の家へと向かって。
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亮介は今はアパートで一人暮らしをしている。
会社からの呼び出しにいつでも直ぐに答えられる様にという事からだ。
亮介は一人っ子だったからおばさんもおじさんも亮介が一人暮らしをする事に、寂しそうな顔をしていたのをひなは覚えている。