仲良し8人組



「そ、…そっか」とひなが呟いた声は、か細く今にも消えてしまいそうだ。


その時、ひなの頭にふわっと亮介の手が乗せられる。


ぽんぽんと優しく叩かれるその動きにひなが目を瞑る。



「やっぱ、簡単にはいかねぇな」


「だね」



そんな会話をしたのに、その言葉がひなには『消えんなよ』と言われている気がした。


ひなの存在が本当に消えてしまう事を亮介には伝えているから、いつひなが消えてしまうかと亮介も不安なのだ。


謎の手紙によれば、ひなに残された時間は今日も入れて後、2日。



「でも、何で俺はその二人の名前を知らないんだろうな。その二人が消えた?とか」


「消えた。……そうかも!」


「えっ!消えたのかよ!?消えるのはひなじゃねぇの?」


「私は消えかけた存在らしいから、まだ消えてない。でも、人の存在が本当に消えるんだとしたら、勝也と明が消えたって考えるのが一番しっくりくる」



亮介の目を見据えてそう自分の考えを言う。


ひなの考えは確かにしっくりくるのだ。


人に気付いて貰えないというのは、ひな自信も既に経験している事だ。


ということは、存在が消えるというのは嘘じゃない。


消える。つまりそれは、全ての人の記憶からも消えるという事になる。



「亮介は、勝也と明の事を覚えてないけど、私は覚えてる。これって、私がタイムスリップした原因に関係あるのかもしれない!」


「可能性は高いな」



ニヤッと笑う亮介の顔が更にひなに自信をくれる。


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