仲良し8人組
未だひなの頭の上に乗せられていた手でひなの髪をくしゃくしゃっと乱すと、
「良かったな。ひなの未来見えてきてんぞ!」
そう言いながら手が離れる。
「うん!」
思わずひなの頬が緩む。
亮介が言うと本当に未来への道が見えてきていると思える。それに、確かな手掛かりが見付かったのは紛れもない事実なのだ。
ひなのそんな表情を見て嬉しいのか、亮介が白い歯を見せてニカッと笑う。
「じゃあ、今日は話でも聞きに行くか!」
「話?」
「そっ。ひなは8人組だって言うけど、俺はその二人を知らない。でも、他の奴等なら知ってるかもしれないだろ」
「あっ、そうかも」
皆がみんな亮介と同じ記憶という訳じゃない。
記憶というのは自分が見たり体験したものだ。亮介の見ていないものを見ている人だっている筈。
だったら誰かが、勝也と明の事を覚えている可能性だってあるかもしれない。
「もし知らなくっても、俺が知らない事を知ってるかもしれないしな」
「そうだね」
どうやら、亮介もひなと同じ事を考えていたらしい。
そこで、ふとひなが思い出した様に口を開いた。
「あっ、でも亮介。仕事は?」
「今日は母さんが倒れたから休むって連絡済み」
シシッと笑って右手の親指を突き出すその仕草にフフッと笑いが漏れる。
もう既に行動済みという、一歩先を考えて行動していく亮介は流石だ。
そして、それがひなの為というのが無性に嬉しい。
「ありがとう」
ふわっと微笑むひなの顔を見た亮介の耳が、一気に赤みを帯びた。