浅葱色に射す一筋の泪




土方「半年前……、お前が死んだとの一報が官邸から入った………」


優輝菜「え〜〜〜〜〜〜!!!」


土方「誤報か…………」


烝「何度も確認したんやで?」


優輝菜「一月前まで昏睡でした」


翔「……………………………。」


土方「抜け出して来たんじゃねぇよな?」


優輝菜「置き手紙はして来た」


土方「横浜までは………」


優輝菜「誰かのバイクで…………」


土方「戦闘機は誰が許可した………」


優輝菜「李朝朝鮮からの急要請だと言ったら快く貸してくれた………」


土方「……………………………。
体は………」


優輝菜「生きてて、一番元気!!!」


土方「………………。っしゃあ!!!」


優輝菜「一緒にいたい。陸軍が攻撃されたって聞いたらいてもたってもいられなかった………。」


土方「回し蹴りを差し上げたい所だが……。生憎、足を負傷した。手当てしてくれ」


優輝菜「それは吉報ですっっっ!!!
手当てしなくちゃね……。他の負傷者も!!!」


土方「これで許す」


ゴンッ!


優輝菜「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」


土方「共に戦い、共に帰ろう………」


優輝菜「帰れって言わないの?」


土方「……………………………。
終戦まで俺の横に置いとく………」


優輝菜「っっっ!!! ありがと……」




ーーーーーーーーーーーー




戦闘機から降りると……幹部達も集まって、抱き付いたり、バシバシと優輝菜を叩いて喜びを露わにした


優輝菜「ボフッ! 痛い!痛い!」


左之「良かったぁ〜〜〜〜〜〜!!!」


晋作「良くぞ俺に殴られに参られた!」


優輝菜「やだよっっっ!!!」


総司「こんな嬉しい誤報は初めて!!」


痛い!痛い!と叫ぶ優輝菜の顔は……


満面の笑顔…………。


そして………一筋の泪………。


その泪は………誰にも気付かれることなく地面に吸い込まれた




ーーーーーーーーーーーー




何故誤報が流れたかと言うのは……


古高俊太郎が優輝菜の容体を混乱し、麻呂に伝えていたと言うこと………。


それを陸軍が知るのはもっと先の話…。


優輝菜は負傷者の手当てをし、これから報復に行くか行かないか………。


優輝菜「次、戦闘機が来たら迎え撃つ」


土方「清に攻め込もう」


優輝菜「これは史実にはない。
史実には休戦に入ったら戦は無かったから………」


坂本「しかし、清攻撃は帝の命じゃ。」


優輝菜「……………………………。
天皇は此処にいないっっっ!!!」


土方「天皇の命は絶対だっっっ!!!」




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