メガネのヒメゴト
もの足りない。


ほんの少し、何かが足りないのだ。


そんなあなたをわたしは許してしまう。


「ゆるくなるなよ」


といって、あなたは下腹をポンとたたいた。


ココロのどこかで待ちわびている。


あの日買ってくれたこのリングのように。


カラカラに乾燥したスポンジのようになっていたわたし。


そのスポンジの中に水を蓄えさせてくれたあなた。


しぼっては水を出し、水をまた吸収する。


その繰り返しだった。

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