ミク。
深夜二時十分前、正常にいつものコトが起こる。
暗闇の中、陽菜が何かに取り憑かれでもしたように音もあまり立てず寝入っていたベッドから上体をゆらりと起こし、長い黄金の金糸の髪をホラー映画の幽霊か何かのように顔面にだらりとさせて眠くて眠くてしょうが無いという顔を見えないように隠し、上手く這い出す事に失敗したベッドから転がり落ちる。しかしそのまま左手、右手、左足、右足の順に進めながら四つん這いでズルズルと台所に置かれている一台のテレビの前まで行き、半倒れになりながら座り込み、リモコンでチャンネルをセットすると、コクコクと居眠りをしながら御所望の番組が始まるのを待つのだ。
とは云え、室内に接続されている電気のスイッチには一切触れずにこういう事をしている為、何も知らずこの家に泊まって初めて目撃した日には驚くやら呆れるやら何がなんだか?気付いた時には自分でも自分に驚く程大爆笑してしまって、以来、観察するのが楽しくて彼にハマッてしまったというワケだ。
ユキは、そんな事を思い出しながらテレビの前でコクコク…‥ガクッ!?なんて居眠りを繰り返して始まるのを待っている彼に笑みを浮かべながら貸して貰って居間の空きスペースに広げて身体を横にさせていた来客用の布団から抜け出してゆっくりと歩んでゆき、傍に寄る。
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