ミク。
~…約二年後…~

【お帰り、ユキ。】

「姉さん陽菜、ただいま」

ユキは未だ自分の一番目の育母をしてくれた珠里夜の家で陽菜と内密に暮らす生活を続けていた。…と、いうのも、二年前のクリスマス。彼と婚約?の真似事のような約束をして互いに口づけを交わし合い、せっかくだからと下界のイルミネーション街をゆっくり歩いたりしているうち、すっかりラブラブな恋人同士になって帰宅すると彼女お手製ハリセンの洗礼を喰らわされて叱られたワケだ。
‥スパァーン!!?

《遅いッ!!!夕食付近と云ったのに今、何時だと思うの!?春に無理させるなと云ったのに深夜0時に帰宅する馬鹿は誰!!》

叱りながら続け様にハリセンを喰らわせてくる彼女は魔女と云うよりもむしろ鬼で、あの時程、ハリセンなんてモノで小賢しいハエのように叩き殺されると思わされた事は無い。

「すみません姉さん!僕達にも色々あって‥」

《煩せぇわ!いくら普段ヒトが滅多に通らないトコにある家だからって見られたらどーする気!?言い訳するなら黙ってさっさと入りやがれ!!》

…‥まったく、このヒトは。何故一度寝た後と、食事の時間に遅れた時はここまで、こんなに口調を激悪にしてキレるんだか…。と心で云いながら室内に入って、一度荷物等を置く為に寝室兼居間に向かった先で見たものは、彼のベッド脇に描かれた五法星の陣と、自分が独り暮らしをしていた家に思い出の品として置いてきた茶道用品全品が納めてある長方形の桐の箱。
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