ミク。
《‥‥あ。そう云えばすっかり云うのを忘れていました。》

するとそこへ、ニュースで今人気の海外スポット特集とやらを見るとも無く見ていた珠里夜から突然思い出したという感じで振り向かれ、こんな事をさらっと云われてしまう。

《春も冬も明日から二週間の下界旅行です。荷造りは今日中に。以上。》

だからもちろん……………はい???とテーブルで向かい合っていた二人はなってしまった。と、いうのも今朝の今になるまで一度も一秒たりともそんな話を聞かされていなかったし、そもそも旅行を計画していたという事事態聞かされていなかったからだ。
第一、だ。陽菜はともかく自分まで一緒にと急に云われて誘われても困るというものだ。

「姉さん、僕は明後日からまた見回りか討伐行くしか無いんで無理ですよ?」

と云って、なるべく早く資金を稼ぎ蓄えたいと考えているユキは断ろうとしたが、しかし珠里夜からはこう云われてしまう。

《おや。出掛けて帰宅する度機嫌や顔色が最悪に悪い貴方がパートを選ぶとは意外ですね。働かせて貰っている軍に友人でも?》

「違うッ!!!」

ガダンっ!!?と強く握った拳で叩いたテーブルの上にあった茶碗や皿が一度宙に浮いてひっくりかえる程の勢いでユキは全身にザワザワと走り出した嫌悪や怒りを露に示し、苦虫を潰したような顔をして頭と心で猛烈に叫ぶ。
~‥あんなクソみたいなトコで、友人も知人もない!‥~と。
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