ミク。
午後二時。お昼終わったらゆっくり休んで寝てて?と彼に云われた事もあり、明日の旅行出立は早朝五時キッカリなので今のうち多めに寝ておくと良いでしょう。と珠里夜に云われた事もあり、彼が今回あんな真似をしたのは自分を心配し、気遣っての事だったのだと誤解が解け、ある意味それに巻き込まれた彼女本人が特に気にしていないらしい事もあり、ユキはひだまりが心地い居間で無防備なごろ寝を実行していた。

「ん…‥。」

風とひだまり。庭に咲く華々の香りが優しくて自然とあくびをしてしまう。
陽菜と自分がこの家での立場を交代する以前は時間があればここで良くこうしていた。だが、この家を出て、この身体になってからここでこんなにものんびりするのは今日が初めてで、懐かしさよりも嬉しさがいくらでも溢れてくる。

【シロ、みんな。ユキ寝てるから静かにね?】

居間からすぐそこの庭では明日の準備や昼食後の洗い物が終わった陽菜が自分を寝かせてくれる為に別行動する目的で呼んだらしい動物達と仲良く本当の友達のように戯れている。
陽菜は、動物達を呼ぶのに言葉や道具を一切使わない。それについて彼本人は、大半の動物は声による音ではなく眼や羽音、心の声で会話をしているから鳴き声は話をする為では無く、親兄妹の無事や居場所等の確認。または敵への警戒や警告の為に使われているんだと教えてくれた。第一、彼等は意味も無く襲って来たり、命を必要外決して奪ったりはしないとも教えてくれた
それを裏付けるように、現在庭にはユキヒョウ。エゾシカ。兎。狼。アヒル。白熊など普段は天敵同士であるハズの者達が数頭ずついるが、誰一人牙を剥いたり逃げ惑う事をせず、むしろほのぼのとくつろいでいるのだ。
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