ミク。
二人がお風呂をしている間に冬は気を利かせておもらしの跡が残るシーツを片付けて新しい物に変え、洗濯機に仕事をさせている間に簡単に室内を整理した。それから二人が戻ってくるのを見計らって夕食をバランス良く用意されていた皿に盛り付けていたら春を抱かえて冬用の浴衣を着込んだ珠里夜が戻って来てお礼を言われ誘われたのだ。

《ありがとうございます。さすが冬ですね。》

「いいえ。僕は何もしてない」

《してくれてます。ついでに夕食を一緒に取ったら春と少し遊んであげて、更に泊まって下さいね》

「………………」

最初、奇跡が起こったのかと思った。
先刻の会話から夕食は一緒に食べるようだと想像出来た。それから遊んであげる事も…‥。だが、遊んで、春が寝付いたら普通に帰るものとばかり思っていたのに………まさか、泊まって良いだなんて!

「本当に‥良いんですか?泊まって」

《はい。お風呂も使って下さい。というか貴方に用事が無い限り家にしばらく居て、春の外デビュー手伝って貰えませんか?》

この時そう云って誘われた事が冬にとって、どんなに嬉しかったか…。

「…姉さん…‥春…」

今、目前に居る珠里夜と、この奇跡をくれた可愛らし黄金の光に向かい、冬は心からお礼を伝えた。

「ありがとう…。」
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