ミク。
【はぁ~‥良いなぁ。】

なんて溜息混じりに呟いてアニメを見る姿がある意味笑えたし、

「無理にこの時間見ないで録画したら?」

などと聞いてみたら、

【うん。お姉さまにして貰ってるよ?でも、この時間にやってるんだから、この時間にも見ないとセヴァに失礼でしょ!】

と大層大真面目に自信を持って言い放す姿勢が真面目過ぎて、ある意味危なっかしいと思ったし、

【ねぇねぇ、冬もセヴァみたいに黒着るの多いよね?なんで?私と腹黒執事ごっこしてくれるの?】

とハシャぎ回って何やら妄想して余計にキャーキャー夢中して、うっとりしてしまう姿なんて可愛過ぎて放っておけなくて、しょうが無いなぁとか、傍に居てあげないとという気持ちにさせられてしまった。だから余計、一年もの時間が経っていた事なんてすっかり忘れていたのだろうという感想が頭に浮かび、隙さえあれば短く笑ってしまいそうにもなる。

「女の子なら良いのに、な…‥」

…ふ。と、本当にこう思う時間が最近頻繁に増えているのだ。だが、これが自分の中の、どういった感情なのか?今一分からないまま変化に変化を重ねて今日まで来たのだが、それと同時に痛みが、胸の奥の方でさざ音をたてて渦巻いていた。‥‥‥出来る事なら、ここに来る前の事を春には知られたくない。春にだけは自分が二番目の育母となったオンナによって汚され、自分はファーストキスは愚か、一部のオンナという生き物を知ってしまった身体だという事を知られたくない!と。
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