ミク。
一方春は、自分の突然の身体の変化に驚きつつ、恥ずかし過ぎる現状にドキドキして、しかし、とにかく色々と我慢していた。

「髪洗ってあげるから、もっと傍においで?」

【‥でも…‥っあ!】

今までだったら発熱、おもらし、頭痛や病み上がり等で入浴すると決まって女体化していた自分の身体。しかし今回は発熱、咳、頭痛やら嘔吐など散々だったのに男の子のまま。しかも、なんだか少し背も伸びたし、恥ずかしいと感じる羞恥心まで巣食っている。

「春、急に…成長したね」

【…‥うん。】

「可愛くて、綺麗だよ‥」

冬の言葉一つ一つがやたら耳に入ってきて、気になる。温かな湯と彼が持つタオルを通して触れられた肌の部分が緊張して、不思議な感じの熱を帯びる。それから、もっと、気になってしまう事がある。

【…ふゆ……】

「ん?」

あの日、おもらしをした自分を怒って彼がここを出て行ってしまう前。
一年間一緒に暮らしてくれていた間には普通に気にならなかった事が、何故か今は気になってしまう。

【冬は……私以外で一緒にお風呂入った子いる?】

「え…?」

【私…は、お姉さまだけ…‥なんだ、けど】

気になる。しかも、自分のようにお姉さまだけなら良いけど、他の誰かと一緒に入っていたら、なんだか泣きたくなる気持ちが胸にさっきからあって、ずっと恥ずかしい気持ちと一緒にズキズキと見えない心の内側で暴れているのだ。だから、余計恥ずかしく、もぅ我慢出来ない!
< 89 / 171 >

この作品をシェア

pagetop